東京でも桜が満開となりました。
いよいよ4月。
出会いの季節でございます。
イトウ
学校生活では入学式がございます。
先週卒業式の祝辞を書いたばかりですが、本日は入学式での来賓挨拶方法をご紹介致します。
イトウ
式辞用紙を使用するか考える
卒業式の時にもお話しましたが、このような式典では緊張される方が殆どでしょう。
そんな方には式辞用紙のご用意をお勧めします。
入学式に限らず式典でスピーチをされる方が読む原稿、それが式辞用紙です。
私のようについつい、おしゃべりが好きで長く話してしまう…なんて方もご一考ください。
イトウ
結婚式で使用された方もいらっしゃるかもしれません。
スピーチされるときにエライ方の手元にある紙。
あれが式辞用紙です。
筆で丁寧に書かないなんてけしからん!
なーんて方もいらっしゃると思いますが、これも卒業式同様後ろに人はいません。
だから、プリントだろうが手書きだろうが誰も確認できません。
「手書きでないといけないでしょうか?」というご質問を頂いたことがありますが、家庭用プリンターからwordで簡単に印刷できるものもあり、時間も短縮できるので、私はこれを用いています。
カッコつけたい方にも最適です。
畳紙(たとうがみ・たとうし=入れ物のこと)からバサバサって取り出すのも絵になりますよ。
大物な方はビデオレターって手もありますが…。
イトウ
式辞の内容を考える
と、ここまで卒業式編と殆ど同じことを話しました。
イトウ
妻
卒業式がこれからのステージをお祝いするものに対して、入学式では翌日から始まる学校生活へエールを送りましょう。
冒頭の例文
入学をお祝いする言葉を冒頭に述べましょう。
主役は入学生の方々ですが、保護者の方たちにも同様にお祝いをお伝えするのを忘れずに。
ただ今ご紹介に与りました○○同窓会会長の○○です。
○○年度新入生の皆さん。本日はご入学、誠におめでとうございます。
今日という日まで、ご子息ご息女を大切に育てられた保護者の皆様にも心よりお祝いを申し上げます。
イトウ
妻
中盤の例文
冒頭の部分はテンプレートが出来上がっているといっても過言ではありません。
一方で中盤は何かテンプレートがあるわけではありません。
同郷の先輩として新入生へメッセージを送りましょう。
本日、皆さんは○○学校の生徒となられました。
私は○○学校の○期の卒業生であり、皆さんの○個上の先輩にあたります。
本日は先輩から、○○学校を100倍楽しめる方法をお話します。
私が○○校生だったころ、1つだけ心がけていたことがあります。
それは、発信をし続けるということでした。
入学当初、引っ込み思案であった自分を変えるにはどうすればよいか。
と私は悩んでおりました。
そんな私が、テレビニュースを見ている時にふと思い浮かんだこと、それは
「アナウンサーみたいになればいいんじゃないか」
ということでした。
テレビの世界ではキラキラとした人たちが真面目に、時に笑いながらお話しています。
これなら運動音痴の私にもできる。
そう思った私は入学式の翌日に放送部の門を叩くことにしました。
しかし実際に赴くと、キラキラとは程遠い、先輩が2人だけで運営している地味な部だったのです。
とてもためらいましたが、先輩方が可哀想になり、入部。
これでまた地味な3年間を過ごすのか、と思っていた入部当初でしたが、6月ごろに初めてお昼の放送を先輩から任せてもらえることになりました。
普段、お昼の放送時間はBGMをかけっぱなしにしています。
アナウンサーに憧れていた私はそこで、曲名紹介をさせて頂けないかと顧問の先生にお願いしました。
与えられた時間は20分。
今でも思います。
この20分間が私の人生を変えたのだと。
20分とはいえ、全校生徒が私の声が聞くのですから、下手なことは言えません。
放送までの数日、寝る間も惜しんで練習しました。
そして本番を迎えたのですが、当日は緊張から頭が真っ白になり、言葉が出てきませんでした。
アナウンス原稿があることすら忘れていたのです。
放送が終わり、教室へ戻る時はとても憂鬱な気持ちでした。
引っ込み思案だった私は、一世一代のチャンスを不意にしたと思ったのです。
ところが教室へ戻ると、ある生徒が一番に私を迎えてくれました。
どうやら、その生徒が好きだった曲を紹介していたようなのです。
「明日は何をかけるの?」
この時の頭の中で、何かがはじけるような感覚は今でも忘れられません。
自分が企画し、発信したもので喜んでくれる人がいる。
それは自身が発信しなければ、決して味わえないものです。
こうして私は放送というものにのめり込み、文化祭の司会まですることになるですが…それはまたいつか。
中学校までで義務教育が終わり、ここから先は自分で道を探していくこととなります。
今までは皆さんは与えられる側の人間だったかもしれません。
これからは自発的な行動こそ、自分に与えて貰える最も良い手段となるでしょう。
ネット社会がこれだけ普及した現代、時に発信にはリスクが伴います。
しかしそのリスクを考える事こそが成長につながり、きっとご自身と意識を共有できる仲間が増えていくはずです。
迷われたらその行為を先生や先輩へ相談してください。
きっと皆さんの力になってくれるはずです。
どうかこの〇年間、自主的に行動し、研鑽されてください。
それが〇〇学校の新しい伝統となり、次世代へとつながっていくでしょう。
〇〇学校の先輩として、これほど嬉しいことはありません。
エピソードなんて考え着かないなんて方は時事ネタを。
時事ネタは、結論を始めに決めた方が楽に文章を考えられます。
例えば、チームワークの大切さを伝えたいのであれば、こんな感じ。
先日の(オリンピック・ワールドカップ…など)をご覧になった方も多いのではないでしょうか。
〇〇チームの活躍は私たちの心を震わせ、また一つのゴールに対して全員が結束する大切さを教えてくれました。
皆さんの中には今、友人ができるか不安で仕方がないという方もいらっしゃるかもしれません。
少し勇気を出して、首を左右どちらでもよいので、ひねってみてください。
この中に目が合った方、いらっしゃいますね。
もしかしたら、今の行為が運命の出会いのきっかけとなるかもしれません。
あの○○チームに見られるチームワークも、最初は赤の他人から開始しているのです。
それが同じチームに所属し、目標を設けることであれほどの力を発揮できる。
皆さんにも同じことができるはずです。
同じ○○学校に所属し、皆一斉にスタート地点に立っているのですから。
○○学校には皆さんを応援するべく、たくさんの先生や先輩、私たち卒業生がおります。
不安なことがあったら、是非誰かを頼ってください。
チーム○○(学校名)一同、皆さんのサポートを全力で致します。
チームワークには私の在学時から定評のある○○学校です。
きっと皆さんの不安を消し去ってくれることでしょう。
そしてこの〇年間が一生の友人やライバルを見つけられる日々となることを、同窓生一同、心から祈念しております。
スポーツネタやノーベル賞、アカデミー賞などポジティブなニュースは多々あります。
これらポジティブなニュースからはチームワーク、粘り強さ、積極性など、学べるものがたくさん。
例えば粘り強さを伝えたい場合、ノーベル賞でしたら研究期間や苦悩の話が引用できますし、スポーツでしたら練習の話や、試合終盤での活躍が上げられますね。
ノーベル賞やアカデミー賞でもチームワークや積極性の話はできます。
何故なら、これらは努力した結果がニュースとなっているからです。
イトウ
締めの例文
中盤にかけて言葉を述べた後には、同窓会長としての威厳を見せつつ、ビシッと締めましょう。
以上をもちまして、皆さんへのお祝いの言葉とさせて頂きます。
本日は誠におめでとうございます。
少し真面目に締めるなら、このように。
最後になりましたが、◯◯学校のご発展と新入生ならびにご臨席の皆様のご健勝とご活躍をお祈りいたしまして、お祝いの言葉とさせて頂きます。
本日はおめでとうございます。
○○年○○会 会長 ○山 ○子
イトウ
妻
妻からの指摘通り、冒頭と締めの部分は卒業式ほぼ同じです。
つまりは、この定型文を覚えているだけで急なスピーチにも対応できるという事。
覚えておいて損はありません。
時間をオーバーしないよう考える
もう、お話しなくても分かりますよね?
偉い人の長いスピーチほどつらいものはないという事。
イトウ
特に来賓の方が多い場合、終盤にかけて新入生がだらけてきます。
初めての方は事前に担当者に確認をし、
どのくらいお話すればよいでしょうか?
とお聞きしてみましょう。
経験上、概ね3分~5分に収まるくらいがよいです。
稀に後輩へのメッセージとなると熱くなり、長くなる方がいらっしゃいます。
来場者にとっては数多くある「偉い人のスピーチ」の1つであることもお忘れなく。
少し余韻を残して終えるくらいがちょうどよいのです。
それよりも、大きな声で姿勢よくお話された方が新入生によい印象を与えられます。
イトウ
まとめ
卒業式が寂しさと喜びが入り混じった会だとすれば、入学式はお祝いが全てを占める会です。
新しい後輩が増える喜びを新入生に伝え、心からお祝いしましょう。
ぜひ、ご自身のとっておきのエピソードを紹介して新入生を迎えてください。
イトウ
イトウ
コメントを残す